ファイナルカット Pro X オーディオ補正

前回に引き続き、オーディオ補正について記述します。今回は、エフェクトを使用した調整についてです。グラフィックイコライザの画面では、特定の音をピンポイントで調整できるのに対し、エフェクトを使用すると滑らかな曲線を描く事ができます。

オーディオ補正で重要なことは、「滑らかな曲線を描く事と、原音の音質を変えない事」であると教えていただきました。
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1.画面の右下、エフェクトを選択します。
ここには、【ビデオ】に関するエフェクトと【オーディオ】に関するエフェクトが入っています。【オーディオ】に関しては【ALL】以下、8種類のエフェクトが用意されています。それぞれのエフェクトに関して、3種類【Final Cut】【Logic】【Mac OS X】のプリセットが用意されます。

【Final Cut】はファイナルカットの中に用意されているもの、【Logic】は音楽専用のエフェクト、【Mac OS X】はMacの中に用意されているものであり、【Logic】を使用する事を薦められました。

2.オーディオのエフェクトには8種類のプリセットがあり、それぞれ以下の通りです。

   【Distortion】(あえて音をひずませる)
   【Echo】(山びこのようなもの/あまり使用しない)
   【EQ】(イコライザー)
   【Levels】(音量)
   【Modulation】(抑揚/あまり使用しない)
   【Spaces】(響き)
   【Specialized】(特殊効果)
   【Voice】(声)

【EQ】【Spaces】【Specialized】【Voice】の4つについて、
以下、補正の例を交え、教えていただいた内容を記述致します。


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3.【EQ】Logic には4種類のプリセットが用意されています。

●【Channel EQ】は標準レベルの補正ができ、
●【Linear Phase EQ】では【Channel EQ】よりも質の高い補正ができ、原音の音質を保つ事ができます。
●【Fat EQ】では【Channel EQ】よりも質が落ち、あまり使用しません。
●【Auto Filter】とは、高音や低音を極端に削る場合などに使用されます。セリフがあるときに、ドスドス歩く人の足音がうるさく、削る場合などです。

具体例として、風の音がうるさく人の声があまり聞こえない場合の補正を行います。
作業としては、風の低音域を小さくし、人の声の域を大きくします。

補正したいクリップに、【Channel EQ】をドラッグ&ドロップします。
右上のインスペクタ画面のエフェクトの箇所に、【EQ】が表示されます(青く色がつきます)。

マークをクリックすると、補正画面が表示されます。
風が吹いている低音を消すには、最左をクリックします。
30Hz近辺に赤い●が表示され、これを上下左右にドラッグする事により、どの高さの音をどのくらいの大きさにするか調整します。

次に人の声を調整します。グラフィックイコライザでは、1000Hz 近辺が山の頂点になっており、それを真似て、1000Hz 近辺を調整します。

これにより、風の低音が軽減され、人の声が聴きやすくなりました。
グラフィックイコライザの画面に比べ、滑らかな曲線を描いている事が確認できます。

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4.【Spaces】(響き)
Logic の中の、【Platinum Verb】を使用します。
部屋の中での音の広がりを調整するものであり、使用したいクリップにドラッグ&ドロップし、補正画面を表示させます。

【Room Size】で部屋の広さを調整し、【Reverb Time】では音が壁に当たって反射する時間を調整します。

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5.【Specialized】(特殊効果) Logic の中の特殊効果を示します。

【Denoiser】=ノイズを消す(【オーディオ補正】における背景ノイズの除去)
【Exciter】=高音の強調
【Stereo Spread】=音の広がり
【Sub Bass】=低音の強調

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6.【Voice】
「さ・し・す・せ・そ」や「ざ・じ・ず・ぜ・ぞ」の音がきついとき、Logic の中の、【DeEsser】を使用します。

補正画面を開きます。

これまでの補正に比べ、かなり内容が高度なため、EQ(イコライザ【高域軽減】)にて調整するのが妥当ではないかと、教えていただきました。

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今回、教えてくださったトレーナーさんは、以前ライブや演劇における、PAの仕事をされていたとの事で、ドキュメンタリーを撮る際の留意点や、ライブ会場での音にまつわる様々な話をしてくださいました。

ありがとうございました。