播種時の鎮圧と毛管水

先日の圃場研修、ミニトマトの播種もやらせていただいたのですが、播種後、灌水前の鎮圧が大事であると、再度教えてもらいました。
「はて、なんでだべ?」
「はい!上から力を加える事により、発芽の勢いを強める!」
違います。全然ちがいます。
『獅子の母親は子を谷に突き落とす』わけじゃないんです。
  1. 鎮圧する事により、水の浸透を均一にする(毛管水を促す)
  2. 発芽の際、種子の殻がうまくとれるようにする

2番目は、これまでに目にした事があります。ダイコンやホウレンソウの双葉が出てきたとき、葉の表面に殻がついているものが結構ありました。その種子だけ、圧がうまくかかっていなかったのでしょう。

問題は、1番目の水の浸透と「毛管水」。調べてみました。出典はこちらです。
http://www.forest.kyushu-u.ac.jp/~otsuki/fhw_2009/FHW2009-7(Infiltration).pdf

土壌水分は、土粒子との結合の強さによって、【吸着水】【毛管水】【重力水】に分けられます。吸着水は、電場の影響を受けて土粒子表面に強く吸着している水。植物にはほとんど利用されません。重力水とは、土壌の隙間を重力によって流れ去る水であり、こちらもあまり利用されないばかりか、通気性を悪くすることもあります。そしてこの毛管水は、吸着水の外側に保持されている水で、表面張力によって重力に逆らっている水です。植物が最も利用する水であり、重要です。この水を有効にするため、播種直後にほど良い鎮圧を行うということ。土と種子の密着の度合いが甘いと、水分は逃げてしまい発芽に必要な水分は維持できません。逆に鎮圧しすぎると、空気がなくなり、よくありません。

鎮圧ひとつとっても、理由がある...なんとなく流してしまいそうなことでも、きちんと聞くと自分の知識になるものです!深い!

「そろそろ農業の基礎は身についたかね?」
「ん?ん??じょうろの使い方は分かってきましたけど、?(笑」