リウマチの方が知っておきたい公的介護保険と民間介護保険 5つの違い

リウマチの方で生命保険会社から介護保険の購入を検討されている方で、公的介護保険との違いを知りたい方へ。

違いが分かれば、ご自身の人生に介護保険商品が必要かどうか、判断することができますよね。

本記事では、公的介護保険と民間の生命保険会社が提供する介護保険(商品)の5つの違いをご紹介いたします。

リウマチの方が知っておきたい公的介護保険と民間介護保険 5つの違い

 

1.現物給付か、現金給付か

掃除 買い物 掃除機

誰にでも負担が大きい家事

保険のメリットを享受する本人の側から見た違いは、何と言ってもこれでしょう。公的介護保険は、家族の介護を支援することが主たる目的です。要介護認定を受けた利用者が1割か2割の自己負担で介護サービスそのものが現物給付されます。その一方で、生命保険会社の介護保険は、契約時に定めた要介護状態に該当した時、契約時に定めた金額が支払われる「現金給付」であります。「現金給付」とはいえ、保険会社によっては介護事業会社と提携した介護サービスの紹介・斡旋やケアマネジメント事業を行う場合もありますが、事業の柱は契約者に対して現金を届けることですよね。公的介護保険に対して国民からの理解が得られづらい理由として、この「現物給付」「現金給付」の違いが挙げられます。40歳以上の強制加入の制度であるために、保険商品を購入しているとの実感がわきづらい点は否定できません。

 

2.給付を受ける要件(要介護状態)が異なる

石段 階段 昇降

上り下りさえ厳しくなる階段

つまり、どのような状態に陥った時に保険が効くのかという違いです。公的介護保険の場合は、要支援1(日常生活で何らかの支援が必要な状態)の段階から1割・2割負担で介護サービスを利用することができ、介護度が増すにつれて利用可能なサービスの幅が広くなります。一方で民間介護保険の給付の対象は、公的介護保険の要介護度に連動する「公的介護保険連動型」が増加していますが、どの要介護度から給付されるかは、商品によって異なります。また、介護度が上がるにつれて現金給付の額が上がるというわけではありません。一般的には要介護2や3の状態からであると言われます。年齢を重ねるにつれて高まる要介護状態のリスクを想定すると、現物給付の方がメリットが大きいことは容易に想像できます。

 

3.契約開始年齢が異なる

後ろ姿 女性 川

誰にでも迫る老後の不安

公的介護保険は、40歳以上の国民が強制加入するものですが、民間の介護保険は40歳未満でも契約が可能です。また、公的介護保険には特定疾病という縛りがあり、「65歳未満の人は老化(加齢)に伴う所定の病気で要介護状態になった場合に限り、サービスを受けることができる」というものです。その一方で民間介護保険の給付の受け取りは、その保証期間中であれば疾病名に影響されることはまずありません。40歳という年齢は、親の世代が65歳を迎える可能性が高くなる時期であり、かつ家庭内での出費(子供の進学や住宅ローンなど)が重なる時期でもありますよね。この時期から保険料を発生させているのが、公的介護保険の特徴です。

 

4.保険料の払い込み期間が異なる

通帳 口座 保険料

気になる払い込み保険料

公的介護保険は40歳から死亡するまで一生涯保険料を払い込みます。もちろん、本人の経済状況により保険料の減免制度はあるものの、払い込みの免除はありえません(生活保護を受けている人さえも負担します)。その一方で民間介護保険は、契約で定めた期間にわたって保険料を払い込みます。払い込み期間中に要介護状態に該当して給付を受け取る場合、その後も契約が続く商品では保険料の払い込みが免除になることが多いのです。この点からしても、将来的な介護サービスの利用が想像できない方にとっては、公的介護保険は「掛け捨て」をイメージさせる料金体系ですよね。また当然ですが、解約返戻金もなければ死亡保険金も発生しません。さらに1年間に受け取る公的年金が18万円を超える場合は年金から保険料が天引きされるため、払い損の意識に繋がるとも考えられます。保険料未納の方に対しては、督促状や催告状、財産差し押さえ、給付制限のペナルティを科します。これは民間介護保険には見られません。民間の保険会社で保険料を滞納した場合には、即契約の解除に繋がります。すなわち、公的介護保険は契約の解除という概念がないからこそ成り立つ料金体系であり、未納者に対してはどこまでも追いかける一方、要介護状態になった時の現物給付は約束されるという仕組みなのです。

 

5.障害者手帳の影響

保健福祉手帳 身体障害者 障害者手帳

保険と障害者手帳の関係

すでに障害者手帳を所持している場合、民間の保険商品を購入する時に告知事項など審査の面で不利になることは想像できるでしょう。その一方で、公的介護保険は障害者手帳の有無に関係なく、本人の要介護状態に応じて要介護認定が下り、介護サービスを使い出すことができます。65歳未満は障害福祉サービスが現物給付され、65歳以上になると障害者手帳を持っていても、原則介護保険が優先されます(障害者総合支援法第7条「介護保険優先の原則」)。これにより、それまで無料で障害福祉サービスを利用していた人が、介護保険に切り替わることにより自己負担が発生するケースがあります。この自己負担を民間介護保険の「現金給付」によってまかなう場合には、障害者手帳を取得する以前から保険商品を購入していなければなりません。この点から、民間介護保険の「現金給付」は公的介護保険の自己負担部分を補填する側面を持っているのです。

以上、5つの違いについて順を追って掘り下げてみました。ここでタイトルに戻り、一つの問いについて考えてみたいと思います。

 

6.Question;公的介護保険にレバレッジは効くのか?

山もみじ 紅葉 葉

紅葉のように一気に変わる周囲の状況

本来、「保険(Insurance)」とは予期せぬ状態に陥った場合に、大勢が拠出する保険料(掛け金)によりその損失を補填するものです。すなわち、万が一の場合に、少額の保険料で多額の現金給付を受けられるところにレバレッジ(テコの原理)が効くわけです。公的介護保険は現金給付ではなく現物給付であるため、レバレッジを実感することは難しいですよね。しかしこの現金給付を、長期間利用するであろう介護サービスに置き換えることはできます。

高齢化社会に突入し、生命保険会社がその主力商品を介護保険商品としない理由の一つに、介護の終わりの時期が明確でないことが挙げられます。終わりの時期が見えない介護はその総費用が試算困難、かつ計画通りに介護が進むとは限らず、さらに高齢者は増加の一途をたどっています。その状況下で介護保険商品に主軸を置くことは、保険会社の支払能力(ソルベンシーマージン)の低下を意味します。その一方、長期間の介護において1割ないし2割で公的介護保険の現物給付を受けることができる点は魅力で、国民の介護環境に対して国が責任を持つ姿勢の表れとも考えられます。また、契約解除という点から見ても、終わりの見えない長期間の介護に対応するのは契約解除がない公的介護保険です。個人への現金給付はかないませんが、一生涯にわたる介護サービスの提供は約束されます。国民の介護を守るのは公的介護保険であり、民間介護保険によって公的介護保険の自己負担部分を補填するという構図は今後も続いていくことでしょう。

石像 カエル おんぶ

迫り来る親の介護

最後に…

ここまでの長文をお読みくださいまして、本当にありがとうございます。
本記事では「リウマチの方が知っておきたい公的介護保険と民間介護保険 5つの違い」と題し、介護保険について深めてみました。

経済的に余裕のある方ならば、健康なうちに民間の介護保険商品を購入しておき、要介護状態になって公的介護保険を利用した時の自己負担金に当てるということも考えておきたいですよね。

以上、
「リウマチの方が知っておきたい公的介護保険と民間介護保険 5つの違い」でした。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。