リウマチ闘病生活を快適に乗り切るための介護保険 5つのポイント

リウマチの治療を続けてはいるけど薬がなかなか効かず、日常生活を誰かに手伝ってもらいたいという40歳以上の方へ。

「買い物を手伝ってほしい…食事を作ってほしい…身の回りの掃除をやってほしい…帰りが遅いから頼みづらい…」こんな辛さが解決できれば、自分の治療に専念できますよね。

本記事では「リウマチの方が闘病生活を快適に乗り切るための介護保険 5つのポイント」と題し、国の公的な介護保険制度をご紹介いたします。

リウマチ闘病生活を快適に乗り切るための介護保険 5つのポイント

 

1.介護保険制度でのリウマチの位置付け

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介護サービスを使うことで日常生活の自立を

「介護保険って高齢者のためのものでしょ?65歳以上の人でないと受けられないんでしょ?」多くの方がこのように認識しておられるようです。介護保険を利用できるのは65歳以上の方となりますが、40歳以上の関節リウマチの方で、日常生活に助けが必要な方は介護保険を申請することができるのです。40歳から64歳までの方は、国が定める「特定疾病」(16種類)により日常生活に影響が出ている場合に限り、介護保険サービスを利用するための申請をすることができます(厚労省;🔗特定疾病選定基準の考え方)。

  • がん【がん末期】※(医師が一般に認められている医学的知見に基づき回復の見込みがない状態に至ったと判断したものに限る。)
  • 関節リウマチ※
  • 筋萎縮性側索硬化症
  • 後縦靱帯骨化症
  • 骨折を伴う骨粗鬆症
  • 初老期における認知症
  • 進行性核上性麻痺、大脳皮質基底核変性症及びパーキンソン病※【パーキンソン病関連疾患】
  • 脊髄小脳変性症
  • 脊柱管狭窄症
  • 早老症
  • 多系統萎縮症※
  • 糖尿病性神経障害、糖尿病性腎症及び糖尿病性網膜症
  • 脳血管疾患
  • 閉塞性動脈硬化症
  • 慢性閉塞性肺疾患
  • 両側の膝関節又は股関節に著しい変形を伴う変形性関節症

関節リウマチは平成18年4月に特定疾病に追加された病気です。その他、特定疾病は現時点で16種類が挙げられています。ご自身の病気が該当するのかどうか、確認することができますよね。64歳以下の方で介護保険を申請される方の多くは、脳血管疾患や初老期における認知症が原因で、主治医などから介護保険の申請を勧められる方が多いようです。その多くは、退院後自宅に戻ってからの生活をよりよくするという目的があるようです。(※印は平成18年4月に追加、見直しがなされたもの)

 

2.介護保険を使うための申請とは

介護保険 認定申請書 様式

市町村に介護保険の申請を出すことから始まる

まずご自身が介護保険を申請したほうがいいのか、主治医に相談することが入り口のようです。要介護認定を受けるためには主治医の「意見書」が必要となります。日常生活で何が困っているのか、困っていることをどのように解決したいのか(家族の助けが得られるのか否かを含めて)を主治医に伝え、

  • 介護保険制度を使う意思を伝える
  • 意見書を書いてくれるよう頼む
  • OKなら、改めて市町村の介護保険担当部署から意見書作成依頼が届くことを伝える(直接意見書の書式を持参するように言われることもあるようです)。
  • 40歳から64歳までの方の場合は「特定疾病に該当している場合に申請ができるようですので、意見書への記入をお願いします」と伝える

次に住民票のある市町村の介護保険窓口を訪ねます。「(病院にかかる時の)保険証」と「主治医の所属する病院名と主治医名(メモ書きで可)」を持参し、新しく介護保険を申請する旨を伝えます。この時、本人が入院中や動けないなどの理由で窓口を訪ねることが難しい場合は、家族の方やお住いの地域の「地域包括支援センター」に申請を代行してもらうことも可能です(地域包括支援センターの情報は介護保険担当窓口で電話で教えてくれます)。

中には「認定をとっておいた方がいい、何かあった時に安心だ」というスタンスで申請される方もおられるようですが、すぐに介護サービスを使わないのであれば「転ばぬ先の杖」という考えはあまり必要ないようです。先に認定だけをとっていたとしても、実際サービスを使う時期に体の状態が変わっていれば、その認定は意味をなさないですよね。その時に体の状態が大きく変わっていれば、区分変更申請を出すことになるようです。

 

3.介護保険申請後の流れについて

介護保険 被保険者証 認定

様々な証明書が送られてくる

申請が終わると、市町村の介護保険担当部署から主治医あてに意見書の作成依頼が送られます(場合によってはその場で意見書の様式を手渡しされ、病院に持っていくこともあります)。意見書には返信用封筒が付いており、主治医が作成し市町村の介護保険担当の部署に返送するようになっています。意見書の作成料は、患者さんご自身が負担することはありません。国と市町村の介護保険給付費用から出されます。

そして意見書と同時に、市町村が行う「訪問調査」を受けることになります。生活の場が自宅の場合は自宅に、入院中であればその病院に伺って本人の心身の状況を調査員(市町村の介護保険担当部署の職員や業務委託先の職員)が詳しく聞き取りをします。こちらの調査料金も、国と市町村の介護保険給付費用から出されます。意見書と調査票、この2つが揃うと介護保険担当部署の介護保険システムの中で一次判定され(全国共通のシステム)、その方の要介護区分が出ます。要介護区分とは、介護を必要とする度合いのことです。

軽い順から重い順に、

非該当→要支援1→要支援2・要介護1→要介護2→要介護3→要介護4→要介護5 の8つの区分があります。要介護5はほぼ寝たきり状態、非該当とは、介護保険を利用するには至ってないと判断された場合の区分です。要支援2と要介護1は同じランクに位置付けられ、認知症の状態によってどちらかに振り分けられます。次に、システムの中だけの判定では不十分であるため、判定された要介護区分をもとに、「介護認定審査会」が開かれます。医師2名、保健・医療・福祉の専門家3名、合計5名によってその方の意見書と調査票が審議され、要介護区分が決定、結果が送られてきます。

 

4.介護サービス費用の自己負担について

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非該当でも10割負担すればサービス利用が可能

認定の結果が届いたならば、ケアマネージャーに相談して介護の計画を立ててもらいます。ケアマネージャーとは、その方の身体の状況や介護の環境に応じて、ヘルパーや業者、病院、市町村の介護保険担当部署とやり取りを行ってくれるいわゆるハブのような存在で、地域包括支援センターや居宅介護支援事業所に常駐しています。結果が「要支援1・2」で出た場合には、お住い地域の地域包括支援センターと契約を結びます。「要介護1〜5」と出た場合には、居宅介護支援事業所を1ヶ所選び、契約します。

介護サービスを使った時の自己負担は、基本的に1割か2割負担で済みますが、介護保険料を滞納している場合や高所得(年金収入340万円以上)の場合は3割負担(2018年8月から)となるようです。認定区分ごとに使える金額の上限が決まっており、その金額までは1割か2割負担、足が出た部分については10割負担となりますが、オーバーしないようケアマネージャーが調整してくれます。

その他、認定の結果が非該当の場合は10割負担になってしまいます。介護の計画ができた後にサービスを使い出すことになりますが、必ずしも認定の結果が出てからでなければ使えないわけではありません。何らかの急ぎの理由(退院予定が近く、自宅で使う電動ベッドを急いでレンタルしたいなど)があるときには、このくらいの見込みで認定が下りるだろうと暫定で介護の計画を立てて、サービスを使い出すことができます。しかし結果が「非該当」と出た場合には、利用したサービスは10割負担となってしまいます。よほど自立した状態でなければ「非該当」は出ませんが、認定前にサービスを使い出す時には注意が必要のようです。

 

5.介護サービスは本人だけのもの

ディナー ハンバーグ 鉄板

あくまでも本人のためだけの食事作り

ヘルパーやケアマネージャー、本人、ご家族、市町村の介護保険担当部署を巻き込んでトラブルになるケースがあるようです。介護サービスは誰のためのどこまでのサービスか?という問題です。具体的な例を挙げます。

「老夫婦2人暮らしで、奥さんだけ要介護認定を受けて食事と掃除のサービスを受けている。夫婦は同じ時間に食事をとり、生活サイクルもほぼ一致。ヘルパーさんは、奥さんのためだけの食事を作り、奥さんの身の回りだけの掃除を終わらせて帰って行った。その後、旦那さんからケアマネージャーに電話が入り「妻だけの食事を作っていたけど、俺の分はなんで作ってくれないの(俺も介護保険料払っているのに)?妻が寝ているベッド周りの掃除だけしていったけど、廊下とかトイレは妻も使っているのになんでやってくれないの?」ケアマネージャーは【サービスの按分】を説明したが、旦那さんはそんなことは聞いてないと怒り、役所の窓口に電話をした」

【サービスの按分】という問題のようです。介護サービスはあくまでその方のためだけのサービスであって、同居している方の世話や共用部分についてはできないと決まっています。それを知らずに(あるいは知っていても)「一人分やるのも二人分やるのも変わらないから」「国が介護給付費を抑えようとしているのに、2人分認定を受けたら矛盾してるじゃないか」とヘルパーさんに無理を言ったり、ケアマネージャーを困らせる方がいるようです。介護保険のヘルパーさんを「安く使える家政婦さん」と勘違いしているためこのような現象が生まれるのです。ヘルパーさんやケアマネージャーさんも人間です。節度のないことをしてしまうと、その後の関係に響いてしまうようです。

湧き水 池 榊

ヘルパーさんは安く使える家政婦ではない

最後に…

ここまでの長文をお読みくださいまして、本当にありがとうございます。
本記事では「リウマチの方が闘病生活を快適に乗り切るための介護保険 5つのポイント」と題し、
40歳以上の関節リウマチの方で家族以外に何らかのサポートを受けたいという方を対象に、

  • 介護保険制度でのリウマチの位置付け
  • 介護保険を使うための申請とは
  • 介護保険申請後の流れについて
  • 介護サービス費用の自己負担について
  • 介護サービスは本人だけのもの

について掘り下げてみました。使える制度を使うに越したことはないのですが、まずは家族内での支援を考えてみる、それがダメなら介護保険を申請してみるといったスタンスが大事なようですね。

以上、
「リウマチ闘病生活を快適に乗り切るための介護保険 5つのポイント」でした。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。