新幹線にありがとう

遠距離恋愛の方、単身赴任のため首都圏で頑張っておられる方で、週末は新幹線に乗り恋人や家族の元に帰るという方へ。

新幹線ホームに立つとどこか感傷的な気持ちになり、涙があふれてきたり拳を握りしめたり、心が大きく動かされるようなことがありますよね。

本記事では「新幹線にありがとう」と題し、新幹線が人類にもたらしてくれたものを掘り下げてみます。

新幹線にありがとう

 

1.JR東海CM「シンデレラ エクスプレス」 にありがとう

JR東海 新幹線 のぞみ

“ ひとは、きっと、ひとりじゃない ”

1980年代後半、社会現象までに発展した「シンデレラエクスプレス」を覚えていらっしゃる方はおいででしょうか。特にクリスマス時期が近づくとJR東海が世に放ったCM「X’mas Express」(1988年〜1992年)を思い出す方はたくさんいらっしゃることと思います。

クリスマスの夜に新幹線で帰ってくる男性とホームに迎えに行く女性が何本ものCMに落とし込まれています。山下達郎さんの「クリスマス・イブ」とともに流れるナレーターのキャッチフレーズが、観る人を魅了しますよね。この曲を聴くと、ご自分も新幹線で移動する主人公のような気分になってしまう方も多いのではないでしょうか。わずか1分のCMの中で、キャッチフレーズの後に「…クリスマスエクスプレス」と締めるナレーターの声が涙を誘います。

そういえば、こんなキャッチフレーズがありました。

  • 「帰ってくるあなたが 最高のプレゼント」
  • 「ジングルベルを鳴らすのは 帰ってくるあなたです」
  • 「どうしてもあなたに逢いたい 夜があります」
  • 「あなたが逢いたい人も きっとあなたに逢いたい」
  • 「逢えなかった時間を 今夜取り戻したいのです」
  • 「何世紀になっても 逢おうね」

クリスマスを恋人や家族と過ごすために、遠く離れていても帰るんだという風潮を根付かせてくれたのも、東京ー大阪を3時間弱で移動できるんだと教えてくれたのも、新幹線があったからこそです。そして何よりも遠くにいる人と自分の心の距離を一気に縮めてくれるのも新幹線でした。「離れていても大丈夫」「新幹線が連れて行ってくれる」「すぐ行ける距離だから」と遠く離れる方たちに、安心感や気持ちの上での命綱を与えてくれたのも、新幹線でした。

 

2.心を豊かにしてくれた新幹線にありがとう

最終列車 シンデレラエクスプレス

様々な思いが飛び交う最終列車

“ 離れ離れに暮らす恋人たちの日曜新大阪行き 最後のひかり シンデレラエクスプレスと呼ばれています ”

携帯電話もインターネット回線もポケベルもそれほど充実していなかった時代、日本全国に散らばる人と人をつなぐ手段は飛行機か新幹線でした。金曜夜の東京駅、名古屋駅、大阪駅は家族の元に戻る単身赴任のお父さん、遠距離恋愛のカップルなど人でごった返し、ホームで抱き合う人の姿や相手の姿を見つけて笑顔で喜ぶ人々のドラマが広がっていました。

週明けには戻らなければならず、家族や恋人と過ごす時間が限られる方にとって、1分や2分という時間さえも惜しかったはずです。そんな方々を何百キロと離れた土地へ一瞬で送り届ける乗り物、それが新幹線でした。ホームで時計とにらめっこしながら列車の出発を待ち、列車の中では家族や恋人の顔を想像し、暗い窓の外を見つめて会えるまで待つことは、私たちに「我慢すること」「その瞬間に向けて気持ちを抑えること」を教えてくれましたよね。

新幹線 ホーム 別れ

別れが迫るホームへと向かうエスカレーター

それに比べ現代では通信手段が格段に発達し、端末さえあればいつでも気軽に連絡を取ることができるようになりました。「X’mas Express」が世に出た頃は気軽に連絡することはおろか、公衆電話から長距離の電話をかけるために10円玉を電話機に積み上げながら受話器を握りしめる人の姿も見られましたよね。そんな姿は今では全く見られませんが、新幹線がない時代の遠距離恋愛や単身赴任は、絶望的なものであったことでしょう。

我慢する心、耐える心、気持ちを切り替える強さといった人間が成長する上で不可欠な感情を育ててくれたのです。新幹線があったからこそ、遠く離れていても関係を続けることができたのかもしれません。「次はいつ会えるかわからない」「出発まであと5分」など、迫り来る運命に対して生まれる様々な感情を自分の中で昇華させるしかありませんでしたよね。

新幹線と心(感情)の豊かさの関係。便利になってしまったが故に心の豊かさが失われたとも言われる現代の闇を、この関係を通じて垣間見ることができるかもしれません。

文明社会 心 豊かさ

文明の発展とともに失われた「心の豊かさ」

最後に…

ここまでの長文をお読みくださいまして、本当にありがとうございます。
本記事では「新幹線にありがとう」と題し、新幹線が人間生活にもたらしてくれたものを掘り下げてみました。

新幹線に乗るたび降りるたびに心からの感謝を伝えることができれば、普段は気づかないような便利さにありがとうと感謝できるかもしれません。

以上、
「新幹線にありがとう」でした。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。